気まぐれ随想

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  7月〜9月(2000年)

ハッカー《2》(9/28) ハッカー 《1》(9/11)
CPUの新たな尺度(7/23) サイバー戦争(7/3)

 

ハッカー《2》

2000/9/28

前回「ハッカー《1》」で紹介したハッカー会議「DEF CON」には、アメリカ国防総省の官僚も出席しました。

不思議に思うでしょうが、「Meet the Fed(役人と話そう)」と題した講演を行いリクルート活動をしたのです。
「人並みはずれた才能を持ち、どんな人生を送るべきか迷っているのなら、われわれのところに来てほしい。スタッフの教育に手を貸して欲しい」と呼びかけ、国防のエキスパートにならないかと誘ったのです。(悪玉から善玉への変身?)
実はこれ、一年間で2万回以上も不正侵入される国防総省のコンピュータシステムの防衛や、将来起こるであろうサイバー戦争のための人材確保なのです。(サイバー戦争参照。)

悪玉ハッカーは、これまでもコンピュータセキュリティ会社が雇い入れたことがあります。会社員となった悪玉ハッカーは、善玉へと変身したのですが、最近ハッカーグループ全体を雇い入れようという動きも出てきています。今年7月には、イギリスのセキュリティ会社があるハッカーグループ(ハッカーは、グループ化されているようです。)全体を雇い入れたといいます。
このような動きに対して、ハッカーがサラリーマンに馴染むのか、責任ある仕事ができるか?中には疑問を持つ人もいるようですが、ハッカー監視団体などは賢明な動きだと歓迎しています。

いずれにしても悪玉ハッカーが善玉へと変身してくれればいいのですが。
しかし、悪玉がいなくなる事は考えられません。世の中から犯罪がなくならないように悪玉ハッカーは、存在し続けるでしょう。また、悪玉と善玉が競争する事によってコンピュータ技術が進歩している面もありますから、見方を変えれば悪玉ハッカーは必要悪なのかも知れません。

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ハッカー 《1》

2000/9/11

話は少し遡りますが、今年7月28日〜30日の間アメリカ、ラスベガスで「DEF CON」と言うハッカー会議が開催されました。
この会議の事をネットのニュース記事で読んで、ハッカーについて再認識したことがあります。それは、ハッカーにも善玉と、悪玉がいるということです。なんだかコレステロールの善玉、悪玉みたいですが、ニュース記事には、善玉と悪玉が一堂に会する会議だと書かれていました。

そこで手元の「パソコン用語辞典」(葛Z術評論社発行)でハッカーについて見てみると次のように書かれていています。
「コンピュータに中毒したマニアを言う。hackは、一心不乱に働くことを意味し、その意味で、一般的な常識には多少疎いがコンピュータ技術に長じた人をハッカーと言う。転じて、コンピュータ技術を用いて悪事を働く人と言う意味にもなった。現在はこちらの意味のほうが強調されている。たとえばコンピュータ・ネットワークに進入し…中略…彼らの侵入を防ぐのは難しい。」
( 読んでいて私は、ハッカーを中毒だとか一般常識に疎い人だとか書いてあったので少し吹出しそうになりました。著者のハッカーに対する怒りや怨みが垣間見える文章です。)

この辞書のように、ハッカーと言うと一般的には、コンピュータ技術を使って悪事を働く人と言う意味合いになっているようですが、本来のハッカーと言う意味からすれば悪玉、善玉を区別して呼ぶべきでしょうか。
次々に疑問が湧いてきます。何を持って善玉、悪玉を区別するのでしょうか。よくよく考えると誰かが客観的にハッカーの行為を24時間監視しているわけではないので、区別しようがないのですが。

きっと善玉、悪玉は、自己申告ではないでしょうか。コンピュータに不正侵入する側が悪玉で、この侵入を防ぐプログラムを考えたり手口を解読する側が善玉であると思います。
共に人間ですから、ある日を境に逆になる可能性もあります。 また、両面持っていたりと言う事も考えられますが?非常に難しい問題です。(上記の辞書には、本来悪玉ハッカーは、クラッカーと言うとも記されています。)

実は、このハッカー氏の技術は、多方面から期待をされているのです。
この件は、「ハッカー《2》」へ続きます。

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CPUの新たな尺度

2000/7/23

「クルーソー」を知っていますか。アメリカのベンチャー企業トランスメタ社が作ったCPUの名前です。雑誌などで紹介されていますのでご存知の方も多いかと思います。

クルーソーの特徴は、これまでのインテルやAMDのCPUに比べ消費電力がかなり低いことです。このことは、ノートやモバイルPCのCPUとして利用価値が高いことを意味しています。何しろ現在、これらのPCのバッテリーは、数時間しかもたないのですから。クルーソーは、従来のCPUの1/6の消費電力で作動するとの事ですから、ほぼ一日バッテリーだけで動かせるのではと思います。また気になるクロックスピードも300〜600MHz位のものが数種類あるようですので心配なさそうです。

CPUの開発の歴史は、クロックスピードを如何に上げるかが最も重要なテーマでした。すでにこのスピードが1GHzに達した今、CPUを評価する新たな尺度として低消費電力が加わったと言えるのではないでしょうか。
このクルーソーを搭載したPCの試作機をすでにIBMやNEC等が作ったようですが、年末にはいくつかのメーカから製品として販売されます。市場でどのように評価されるでしょうか?インテルを脅かす存在になるでしょうか?色々と興味が湧きます。

さて、この低消費電力「クルーソー」を発端に、インテルやAMDもこの種のCPU開発に力を入れるでしょうから、今後PCのモバイル性能は飛躍的にアップするはずですが、モバイル性能と言う点でノートPCを考えると、一つ気になることがあります。それは、ACアダプターです。ノートPCにつり合わないほど大きいこいつを、何とか小型化できないものでしょうか。CPUの低消費電力化が進めば、持ち歩かなくてもよいかも知れませんが、充電はしなければならないですから、やはり必需品です。

PC本体は、年々進歩するのにACアダプターだけは取り残されています。電気的な知識のないKENZO30には、ACアダプターの今の姿が理解できません。ACアダプタを見ているとコードの大きさからその形まで、実に野暮たくて古臭いのです。どこかでACアダプターの研究はやられているのでしょうか?

誰かACアダプターに救いの手を!…愛を!……。

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サイバー戦争

2000/7/3

サイバー戦争という言葉を聞いたことがありますか? ゲームの名前ではありません。

最近の新聞にアメリカ国防総省が発表したものとして、中国がサイバー(電脳)空間を舞台とする情報戦争に力を入れているとの記事がありました。元よりアメリカも研究していますので、いよいよサイバー(電脳)戦争が現実化しつつあります。

アメリカでは、今年1月にクリントン大統領が二十億ドル(約二千億円)をかけて「サイバー・スペース(電脳空間)防衛計画」に官民一体で取り組むことを発表しました。これは中央省庁のコンピュータをハッカーの攻撃から守ると言う意味合いが強かったのですが、軍事面では、国防総省が「サイバー攻撃」を二十一世紀の新戦術とすることを発表しました。
空軍の「宇宙軍団」(ICBMや衛星を担当)の中に「電脳攻撃」研究チームを設け、攻撃兵器開発を一本化すると言うものです。アメリカでは、93年頃から空軍などで千人の将校がハッカーの侵入の探知や攻撃を研究してきたようですが、これを強化するための一本化のようです。

◆ ◆ ◆

すでにアメリカ軍は、サイバー戦争の大演習も行っています。97年6月の演習では、わずか37人の軍のハッカーが市販の機材でアメリカ軍のコンピュータ網に攻撃を仕掛け、ハワイの太平洋軍司令部を始め、三十六カ所の主要なコンピューターに侵入し、指揮系統をマヒさせ、動員や補給も大混乱に陥れたと言うのです。軍のコンピュータ系統は、専用回線を使った閉鎖系のはずですが、どうして進入できたのでしょうか? これは、閉鎖系と思っていたこのコンピュータ系統が、発注や輸送の都合で民間企業とつながっていた為に侵入できたようです。

このようにアメリカは、ハッカー技術の研究や演習を重ね軍事大国であると同時に電脳戦力大国になりつつあります。中国が、サイバー戦争に力を入れるとの発表は、こうしたアメリカの電脳戦力大国に対抗するためだと思われます。

さて、サイバー戦争とは、具体的にどういう戦略なのでしょうか?
第一の攻撃目標は、前述のアメリカ軍の演習のように相手軍のコンピュータシステムを混乱、マヒさせる事ですが、次の目標は、相手国のインフラです。原子力発電所のコンピュータを爆走させる。航空や列車の管制を狂わせ衝突させる。化学工場や精油所などで事故を起こさせる。食品工場などで有害な食品を作らせる。銀行口座を消去し、経済をマヒさせる、などいくらでも方法があるようです。現代社会は、2000年問題で再認識したようにコンピュータ社会ですから、攻撃目標はいくらでもあるのです。想像するだけで怖くなります。

サイバー戦争では、いざ戦争となると兵士は銃器を持つ代わりに一斉ににコンピュータのキーボードをたたき始めると言う一見平和的な光景が目に浮かびますが、攻撃目標が相手国のインフラだとすれば事は重大です。本来、戦争において非戦闘員は、攻撃を受けないはずですが、これでは核兵器と同じように攻撃を受けてしまいます。有害な食品が出回ったり、原子力発電所が暴走すればどうなるでしょうか?

また、テロリストがハッカー技術を手にすればどうなるでしょうか? 何しろ少人数で一国の軍を相手に戦えるのですから、これ以上の兵器はありません。混乱が目に見えてきます。

全く持て厄介な時代が現実化しつつあるのです。我々は一体どうすればいいのでしょうか?……。

今回は、深刻な話なので話の落ちがつきませんでした。落ちがないのが落ちと理解してください。

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