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傾いた場所 (2)

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男は手を伸ばし、酒瓶を掴んだ。頭痛を和らげるために、飲むのだ。

「ふう〜」と大きな息をしながら一気に飲んだ。

男は上体を起こし、部屋の中を見渡した。
部屋の中には家財道具など何もない。住人は慌てて出て行ったようだ。部屋の片隅には、新聞紙が山積みになっている。引越しに使ったのだろうか。ここは誰が住んでいたのか。まさか俺が住んでいたわけではないだろう。

男は何かを思い出そうと考えていた。しかし考えれば考えるほど頭痛が襲う。男はその度に、酒瓶を掴み飲んだ。
    ・
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「トシ君、今日は捕れたのかい?」

「うん、今日は捕れたよ、10匹だ!」
嬉しそうに子供は、篭の蝉を見せた。

「そうかい、そりゃよかったね。腕が上がったんだ。」

「うん、僕はね、網の動かし方がうまくなったんだよ」

    ・

「う〜」男は呻きながら目を開けた。うっ、夢か。何だこの夢は?「トシ?」おれはトシ?。トシと言うのは俺か?俺の子供時代だろうか?

俺は、トシか。トシなのか。トシと言うのか。トシは、子供時代の呼び名だろうか?
トシの下に何か付くのか?トシ雄、トシ哉、トシ和か?
俺は、トシ○○に違いない!

男はまた酒瓶を掴んで、酒をあおった。
トシ、トシ、トシ、トシ、トシ…俺はトシ。。

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